2009.07.06 Monday
「東郷池の河童」と「天神川の河童」
上の写真は「北条の土人形」の河童。
作者は江北の加藤廉兵衛さん、なので「れんべえ人形」と呼ばれています。
左が「東郷池の河童」、右が「天神川の河童」です。
ほかに「鹿野の河童」というのもあるそうです。
「天神川の河童」はしょうからで、人間をからかうのが好き。
泳いでいる人の赤ふんどしを失敬して、笑っているところだそうです。
「東郷池の河童」もいろいろ悪さをする。
田植えの頃、田んぼのおな口(水口)でせきをして。
「水を入れさせん。」と意地悪しているところなんだとか。
れんべえ人形は地元の民話や言い伝えを題材にしており、
ほのぼのとした温かみとユーモアでいっぱい。
先日、廉兵衛さんを訪ねたら150体くらいの土人形がありました。
全部で250種類くらいはあるんだそうです。
廉兵衛さんは94歳、驚いたことに、ごく普通の声で耳が聞こえ、
足腰もしっかりしており、バリアフリーなんて必要ないそうです。
しかも、知性と感性とユーモアにあふれた老人。
今も毎年、新作の人形を4〜5体作っているというのがびっくり。
取材と資料集め、デッサンと型つくり、窯焼きから絵つけまで、
すべて一人でこなしてらっしゃる。
いやはや驚異的な人物が、こんなに身近にいらっしゃったとはね…。
■北條土人形/とりネット/鳥取県公式サイト
↓いろんな倉吉情報へGo!ポチポチっとお願いします。
↓語り始めたら止まらない廉兵衛さん。
語って語って、口がなめらか。
東郷池の河童の話。
『河童が水をくれんので、困った百姓は娘を嫁にやる約束をしただがな。』
『末娘が嫁に行くことになってなぁ。ひとつだけと言って河童に注文を出した。』
『河童の住み家の東郷池の底は泥だらけなので、ヒョウタンを敷き詰めてごせってな。』
『よっしゃ、お安い御用だがな、と河童は言って、ヒョウタンを沈めにかかった。』
『ところがな、沈めても沈めても前のひょうたんが浮き上がってしまって…。』
『ように河童はくたびれ果ててなぁ。』
『もうかなわんけ、嫁に来てごさんでもええわ。と、あきらめたらしい。』
『ちゃーな話だがな。』
■東郷池の河童のはなし
これが工房にあった人形たち、見本になる資料なので門外不出らしいです。
いやあ楽しい人形たちですね。
ほかの人形の話は、またのちほど…。